あのデザイン事務所ってどうやって採用してるの?
採用担当者の本音、聞いてきました。
*本記事は『デザインの現場』2007年12月号からの転載です。情報の内容は2007年12月のものです。


どんな人材を採用すればよいのか、実のところ僕自身も良く分かりません。というのも、実際に働いてみないと見えてこないから。独自性をもっている人を探したいと思っているけど、実際に仕事をして、ハマるかどうかはまた別。時間をかけたから、いい人材に巡り会うとは限らないので、分からないながらも採用はしますが、そういうときは、真面目でひたすら頑張れそうな人を選ぶこともあるほどです。
新卒採用も経験者採用も含めて、これまで結果的に多かったのは、大学の先生をしている知人からの紹介で面接するケース。先生方は学生を数年間見ていますから、きっと僕らよりも的確な目で判断できるだろうと、意見を仰ぐことがあります。
入社3年目の平野篤史の場合は、器用じゃないけど地道なタイプだと感じたこと、入社2年目の福澤卓馬は、2年間くらい毎日、自分の思ったものを写真に撮って作品に仕上げきた点に、堆積させる力があると見込んでの評価でした。2人とも自分で動ける、というのが共通項かもしれませんね。
ドラフトには、アシスタントという立場がないんですよ。入社後は、すぐに自主的に動いてほしい。それと、名刺の表面に社名を載せず個人名しか書いてないのは、「ドラフトに所属する誰々です」ではなく、「自分が」ドラフトにいるんだという自覚を持ってほしいから。そのためにも、チームの空気や場が読めることは大切。さらにドラフトは、ブランディングから商品売り上げに直接関わる部分までを含め、一つの会社に関係することが多いので、あらゆる状況に対する理解力が必要でしょう。
入社してからは僕にも責任があるので、きちんと向き合いたいと思っています。だからとりあえずは1年くらい働いてもらったほうがいい。現在採用したスタッフは、1年間様子を見てからあらためて僕と話す、というステップをとっています。
就職は一生を決める大切な分岐点だから、学生にも既卒者にも、覚悟や考えをしっかりと定めてから門を叩いてほしい。そして面接では会社に判断されるだけじゃなくて、合うか合わないかを自分でも判断するくらいの心意気をぶつけてもらいたいですね。(談)
文/高橋美礼

